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フィルターシステム用抗菌技術 AGXX

細菌、菌類、ウイルスなどの微生物は有害で、人間、そして経済に大きな損害をもたらしうる存在です。そのような病原体は、液体中ではすぐに蔓延します。そのため、フィルターシステムが効果的な対策となります。触媒技術であるAGXXは、容易にフィルターシステムに組み込むことができ、危険な微生物の拡散を防ぎフィルター自体を腐食から保護してくれます。これは、貴金属をベースとした全く新しい触媒プロセスに基づく技術です。

青い海と水中のライト

液体のろ過は、排水処理、飲料水の供給、家庭用フィルター、水泳プールの水の浄化など、高品質な水の供給において重要な役割を担っています。しかし、フィルター自体は、微生物や生物付着による汚染が生じやすい製品です。その汚染により、病気が生じたり、本来なら保護してくれるはずのフィルター装置そのものが腐食したりする可能性があります。

これはフィルターシステムの表面に形成される「バイオフィルム(生物膜)」が原因です。バイオフィルムは、病原菌の抗菌剤への耐性を高めると同時に、機器の素材を傷めます。腐食コストの最大20%がこのような生物学的影響によるものであると推定されています。

AGXX技術は、数々の試験により、このバイオフィルムの形成を防ぐことが証明されています。さらに、従来の抗菌剤に見られる好ましくない特性、つまり金属イオンなどの物質を放出し、そのため効果の持続時間が短くなることや、人間や動物、環境に害をもたらすこと、とは無縁です。

クローズアップされたAGXXフィルター
AGXXフィルター

私たちの貢献:菌に対し絶大な効果を発揮する抗菌触媒

ヘレウス・プレシャスメタルズが開発したAGXX技術は、既にフィルターにおいて試験がなされています。同社の抗菌部門共同責任者であるマーティン・ダンツによると、この技術には5つの利点があります。すなわち、広範囲に効果があること、金属イオンを放出せず効果が長時間持続すること、そのため規制の面で簡単に市場に出せること、水と酸素の触媒反応だけをベースとしているためレジストが形成されないこと、フィルターシステム以外の用途にも広く適用できることです。

青く澄んだ水のプール
青く澄んだ水

これらの利点をもたらしたのは、AGXXの新しい作用機序です。そのメカニズムは2つの貴金属の相互作用を利用しており、酸化還元反応とマイクロ電界効果に基づくものです。このプロセスでは、酸素が大気中の水分と結合し、酸素ラジカル(ROS)に変換されます。同じく抗菌部門共同責任者である、マリー=レナ・ハルワルトは、「この反応性の高い分子は、あらゆる微生物を確実に破壊し、それによりバイオフィルムの形成を防ぎます。これは130種類以上の病原体に対する試験で証明されています。 また、最終的に酸素ラジカルに残るのは水の分子だけです。」と、廃棄物を出さないプロセスについてもコメントしています。

AGXXは、粒子単位で様々な材料に応用できます。液体に応用する場合は、例えば活性炭の顆粒やペレットに含浸させれば、活性炭ベースの液体フィルターに簡単に組み込むことができます。粉末状の粒子であるAGXXは、特に  繊維 やポリマーフィルターに適しています。また、効果的かつ長期にわたって病原体の蔓延を防ぐことができるため、製品寿命を大幅に延ばすこともできます。さらに、AGXXの用途はこれにとどまりません。フィルターだけでなく、プラスチック、外壁塗料や防汚塗料、空調技術、防護マスク、医療機器、衛生機器など、幅広い用途に効果的に応用できます。