気候変動の問題を背景に、化石燃料の代替となる再生可能エネルギーの重要性が高まっています。その重要なエネルギー源のひとつが、太陽光発電(PV)です。その需要は数年前から高まり続けており、PV産業の主要プレイヤーは中国です。メタライゼーションペーストの製造で市場をリードしているヘレウスは、中国において確固たる地位を獲得しており、太陽電池とモジュールの効率を高める最先端の材料を開発しています。
太陽光、風力、水力、地熱。普及しているこれらの再生可能エネルギーのうち、最も豊富なものが太陽光です。国連によると、地球に降り注ぐ太陽光エネルギーの割合は、人類が消費するエネルギーのおよそ1万倍に相当します。国際エネルギー機関(IEA)は、地球上の大半の地域において、新規発電の最も低コストな選択肢は太陽光発電であると考えています。ヘレウスの太陽光発電事業部は、2023年、新しく導入された太陽光発電の設備容量は世界で280~330ギガワットに達すると予測しています。
再生可能エネルギー発電は近年順調に増えており、この傾向は特に太陽光発電に顕著です。Blackhawk PV社の統計によると、2022年、中国における太陽光発電設備への投資額は8000億元(1060億ユーロ)を超えました。過去3年においても、PVシリコン材料、シリコンウエハー、電池、モジュールの生産量は大きく増加しています。
2021年から2022年にかけ、中国で新たに設置された太陽光発電設備容量は60%近くも向上しています。中国ではこれまで、大規模な中央発電施設に重点が置かれてきましたが、過去2年間では、工業用・個人用建物の両方に向けた分散型・集中型PV設備に移行する傾向が見られます。中国では近い将来、分散型システムが太陽光発電設備全体の主流になると予想されます。中国の太陽光発電産業は、新規参入者の増加や、高度にカスタマイズされた技術を求める顧客のニーズの変化により、競争が激化しています。
PV産業は、非常に動きが激しい市場環境にさらされています。この業界では、既存の技術を向上させ、太陽電池モジュールの効率を上げるための努力が常に行われています。
ヘレウスの太陽光発電事業部は、太陽電池用メタライゼーションペーストの製造・開発で市場をリードしています。たとえば銀ペーストは、PV電池に欠かせない補助材料のひとつです。そして銀ペーストは、電池レベルでの効率の向上と全体のコストのバランスを取るための最も重要な材料でもあります。現在、太陽電池全体のコストのおよそ1割を銀ペーストが占めているためです。そのためPV産業は、持続可能性以外の理由からも、銀ペーストの利用率を向上させ、太陽電池に可能な限り効率的に使用することに注力しています。
太陽電池製造者は、それぞれが独自の電池設計と製造プロセスを有しています。それぞれの製造プロセスにメタライゼーションペーストを適合させることで、最適な結果が得られます。ヘレウスは、上海とシンガポールに構える最先端の研究拠点を活用して、顧客に対するカスタマイズのプロセスを行っています。顧客の可能性を最大限に引き出すには、ペーストの配合と顧客の要求事項との最適な組み合わせを見出すことが重要です。
世界に目を移すと、カーボンニュートラルの実現に各国が尽力しており、PVへの需要は拡大を続けると考えられます。中国政府が脱炭素化とカーボンニュートラルの目標を掲げていることも、この動きを後押ししています。動きの激しいこの市場において、ヘレウスの太陽光発電事業部は、研究開発および個々の顧客ニーズに合わせたソリューションに引き続き焦点を置き、未来の世代により持続可能なエネルギーを供給することに貢献します。